食中毒の原因や治療法

医療機関や保育園、福祉センターなどに勤める看護師であれば、多くの食中毒患者と対応することになると思います。適切な処置ができるよう、まずは食中毒に関する正しい知識を身につけることが大切です。
食中毒は、食品が原因となって発生する胃腸炎や神経障害などの中毒症の総称です。食中毒の多くは急性胃腸障害で、細菌やウイルスの混入、有毒な物質が付着した食品を食べることが原因と言われています。
原因となる、細菌やウイルスの代表例は、サルモネラ菌です。これは、卵や魚、肉の加熱不足が要因です。他には、黄色ブドウ球菌があります。これは、人体の肌や、鼻や口の中にいる菌です。例えば、ニキビや傷をおった手で食品を触ると黄色ブドウ球菌がつきやすくなります。

生の魚にいる腸炎ビブリオ菌も食中毒の原因です。塩水の中で繁殖する菌で、真水や熱で死滅させられます。十分に加熱されていない肉や生野菜などにいるカンピロバクターも原因菌です。
カキに代表される、2枚貝を十分に加熱しない場合は、ノロウイルスに感染することがあります。加熱不足の豚やホルモンを食べると、E型肝炎ウイルスに感染する危険もあります。
食中毒になった場合は、すぐに医師の診察を受けさせるのが得策ですが、治療方法は自然治癒です。食中毒の症状であるおう吐や下痢を利用して、体内の菌が排出されるのを待ちます。
しかし、重症化した場合は、抗生物質や整腸剤、制吐剤などが処方されることがあります。脱水症状があるときは、点滴で対応します。治療中の過ごし方は、水分補給を欠かさないようにします。水やスポーツドリンクを飲んでもらうのが効果的です。ただし、一度に大量に飲むのではなく、少しずつ飲むように心がけましょう。
以上のように、看護師として食中毒に関する知識を身につけることは、症状で苦しむ患者への適切な処置に繋がります。